041:デリカテッセン

 小さい頃から寒がりだった拙鬼は、
 食品売り場の冷蔵陳列棚から
 溢れ出す冷気が苦手だった。

 凍えながら眺めるサラダ・バーは
 たとえ大好きなポテトサラダだろうとも
 美味しそうには見えなかった。

 月日は流れ、
 コーナーの名称も品揃えもぐっと良くなり、
 なによりも冷蔵陳列棚から
 溢れ出す冷気ぐんと減った昨今ですが
 
 ・・・未だに苦手なんです。