027:電光掲示板


  端的に事実を伝える
  そのたった1行が
  僕のヒーローの最期を告げていた。

  交差点の信号機を睨み付るのに大忙しな
  まわりの人達にはきっと、
  そんな1行すら目に映らなかったし
  たとえ目に入っていたとしても
  どうでもいい事に違いないんだろう。



  でも・・・さ。



  僕等の最期なんて、
  そんな1行にすら
  なりゃしないんだよね。


  僕は、人混みの中で
  ちょっとだけ
  寂しくて仕方がなかった。